同棲生活編 16
昨夜の内に今日のスケジュール皆で決めてある
まず阿蘇山の火口を見に行って帰りがけ屋内プール付の遊園地で遊ぶ事に、、
だから朝食を食べたら早めのキャンプ撤収
3台の車を連ねて観光ルートの山頂に やっとカミイに火山を見せてあげる事ができた
硫黄の臭いが鼻にツンとくる その雄大な眺めは俺にも素晴らしかった
カミイ露店jで花崗岩と硫黄のサンプルを記念か御土産か判らないが買っている
聞いたら「タイには無いから」って御モットモ!
山頂から少し降りた御土産屋で昼食だったが観光地だけにメチャ高 カレー何でコノ値段!!
1家族は子供が多いから負担が凄そう、、、
他にも阿蘇山麓の観光地を見て周ってから山を降りる
ヘリコプターによる上空からの阿蘇見物ってのも在ったから
カミイに乗せてあげたかったけど1回じゃ子供達全部を乗せられないから残念だけど諦めた、、、
さて子供達の夏休みの想い出に遊園地と屋内プールが一緒になった施設に
行く約束をしてあったらしい(俺は知らなかったが)
阿蘇を降り国道3号線をだいぶ下ってから2時間位で目的地に着いた
カミイが目を丸くして驚いていた
だって水遊びをする為だけにドーム型全天候対応のプールって想像の範囲外
「泳ぐか?」って聞いたら「いや」って答える 海を日本で初めて見たって言ってたし、、
タイに帰って機会があったら泳ぎを教えてあげたいな、、、
俺達2人は遊園地で子供達を待つことにした
小さな乗れるゴーカートで彼と競争する事に、でも彼 運転知らないって、、
大丈夫 これ本物の車じゃなくて子供の遊び道具、、、
操作教えてから さあ出発! あらら彼あちこち ぶつかってダメだこりゃ、、
俺達日本人って子供でもスグ機械操作を覚えるけど為れていない彼には、、
まあ 数分したら何とかコースをゆっくり走れるようにはなったけど
俺はスタートした場所に帰ってきて時間制限でおしまい
彼が帰ってくる姿をカメラを構えながら待ち伏せる
運転覚えて楽しいのか満面の微笑みで帰ってきた処をパチリ
この時の写真 彼よっぽど気に入ったのか大きく引き伸ばして現像しパネルに、、
今でも彼の寝室のベッドの所に飾ってある
暫くすると子供達がやってきた 各乗り物は有料だから昨夜のコインすぐ無くなったみたい
お買い得ファミリー回数券って ちぎって使う回数券を3冊(6000円)買ったけど
何しろ人数が多いから1人 2つか3つ遊ぶと回数券無くなる
こりゃヤバイ 幾ら有っても足りないよ さっさと逃げ出そう、、、
なるほど親達が付いて来ないのは解かる気がした
「乗りたい」って凄くせびられるもの、、
ダメだよお金は無限には無いんだから、、
カミイがポツンと「日本の子 あんなにお金使って遊ぶの
田舎なら他の欲しい物 買うけど」そう言って黙った
彼が子供の頃 何を買ったか聞いてみた
「お金 滅多に貰えなかったけど鉛筆やノート 沢山有ったら魚捕りの網」
え!それって小遣いじゃ無く 親が出すべき物では、、、
でも彼の家 地図でサコンナコンを調べた時 大陸の中 どうして魚網?
近くの川やチョット遠いけど湖で魚捕って御飯のおかずになってるそうだ
さあこれ以上ここに居ると子供達がうるさい 遊園地を出よう
帰りがすっかり遅くなったので 途中の八代市でケンタッキーに寄る
俺の希望だし いつでも奢ってる訳じゃ無いから ここも俺持ち
セット20人分だと あっという間に1万円札が飛んでいった
カミイが「ケンタッキー日本にも あちこち有るんだね」って あるさそんなもの!
俺の家は田舎だからケンタッキーどころかコンビニすら無いけど、、、
(去年 出来たよ!ファミレスとコンビニ!もう田舎じゃ無い?)
帰宅は夜10時頃 疲れた、、お盆で人も多かった
でも彼らの子育ての大変さ解った カミイとの想い出も出来た
疲れてたけどカミイに抱かれて寝たい気分、、、
あれ 彼すでに寝てる、、起こすの可哀想、、
そーっと彼のパンツの上に手を当てて感触だけを感じながら
俺も眠った、、、
---------------------------------------------------------
同棲生活編 17
盆が過ぎると台風の季節になった 鹿児島は台風の通り道
今回の大型台風の日も店を開けたが客が来る筈も無い
天気予報見てたらこっちに向かってる 風雨が強くなってきたので
店で飼ってる猫のジェリーも今日は一緒に連れて帰る事にした
この猫 人間みたいに「自由意志」を尊重して飼ってたから我が強い
家に連れて帰って最初に行動したのは部屋の下調べ
自分の寝床の場所の確保やトイレの場所の確認してる、、
店では「ここは私のテリトリー」って感じでカミイに接していたが
家に来たら匂いで判断するのか「カミイと俺の場所へ間借り」って態度で
本当に「他所から借りてきた猫」みたいに おとなしくなった
そんな時 停電! エアコンからTVまで全てストップ
もうすぐ日が暮れる
俺の家には炊飯器すら無いから 今のうちに何か食う物を買ってこないと、、、
ホカ弁に行ったが閉まってた カミイが車のドアを開けてビックリしてた
彼は台風 初体験! 盆前に震度2の地震があって その時もビックリしてたし、、
彼 家に帰り着いてから「日本は住み難いね、、」って感想を漏らす
鹿児島の水害 地震 台風 梅雨時のカミナリ 本当に天災の巣だ、、
「どれが一番怖い?」って聞いたら地震だったそうだ
あの地震は そんなに強くなかったし すぐ止んだのに、、
水害やカミナリはタイにも有って慣れているそうだ
この嵐と地震のみが初体験
しかし台風は家が鉄筋だから怖くないと言う
電気も来ないから暇潰しに彼とじっくり話しをした、
彼「僕の家 こんな嵐や地震があったら ぶっ壊れてるよ」
俺「でも無いのだろ?」
彼「風が強い時は壁が壊れたりするし雨漏で床が濡れて眠れないんだ」
俺「そう云えば前に家を建てたいって言ってたね もう考えた?」
彼「この家に住んだら こんな強くて安心 長持ちな家が欲しくなった」
俺「じゃ そうすれば?でも俺はタイの高床式にも住んでみたいな」
彼「お金が無いよ、、鉄筋は高いよ夢の夢さ」
俺「だから俺も金を出すって前に言ったろ 俺の部屋も欲しいし幾ら掛る?」
彼「そんな大金判らない 村で建てた人いないし、だから普通の家を建てるよ」
俺「いいかい俺達日本人は雨漏りがしたり風の音が うるさかったりすると
眠れないし そんな家に住めないよ だから良い家が欲しいな」
彼「本当に思っている事を言っていい?」 俺「うん」
彼「せいちゃんが僕の事 好きだって解かってる でも いつかは飽きる」
俺「どうして そう思う?」
彼「だって僕 いつまでも若くないよ バンコクでも沢山の子と遊んでたでしょ
だから いつかは他の子の方が良くて居なくなる」
彼「僕もせいちゃん好き(チョォップ)だけど愛(ラック)じゃ無いんだ
だから せいちゃんを騙すような事はしたくないし自分で出来る事で済ませたい」
俺「解ってるよ君がゲイじゃ無いって だから俺と結婚なんて馬鹿な事は言わないよ
でも俺と心が通じてるし友人として これからずーっと付き合いたいと思う」
書けば簡単に見えるが この頃の俺のタイ語では限界に近い会話
だから凄い時間がかかる 更に話は続くが結論として
彼は土地を提供し自分に必要な物は自分で買う
俺は家のお金を提供するが150万円の建築費と50万円の設備費を限度にする
即ち日本人にとっては「飽きたら捨ててもいい金」だから遠慮しない事
彼「母さんビックリするかも 僕 兄弟の中で今まで一番役立たずだったんだ
一番上の兄と弟は百姓仕事巧くて役に立つし もう結婚して立派だよ
すぐ上の兄もシンガポールに出稼ぎ行ってお金を送ってくる
僕だけが何をやってもお金の稼ぎ方 下手だったし皆に迷惑かけてた、、」
俺「そうだなシンガポールで働いても生活費いるから送金は君が日本で3ヶ月
働くより少ないかも、、でも もし俺が飽きなかったら君は俺の老後の生活を
看る事になるが そこまで考えてOKしてくれよ」
彼「食事の世話や身の回りの事は今と同じでいいんでしょ? でも病気になっても
日本みたいな病院は傍に無いよ 遠くまで行かないと、、」
俺「どれ位の距離?」 彼「バスで1時間 それにバス1日1回、、、」
俺「なんだ それなら簡単!自動車買えば済む事だ」
彼「自動車って家より高いんだよ!中古も在るけどすぐ壊れるよ、、」
俺「まあ そんな話はその時になってから でも簡単な話なんだ!」
(現在でも車は買わずバイクで済ませてる 彼が「せいちゃんタイに居る時間は少ない
もっとタイに居るようになってから買った方が良い」と反対してるから、、、)
その夜 彼の隣にはジェリーが寝てた、、彼を取られてしまった、、
今晩はゆっくりと 遊んで貰えると思って楽しみにしてたのに、、
電気の来ない懐中電灯だけの暗がりの中でジェリー君を追い出して横に寝た、、、
ジェリー機嫌悪そうに他の部屋に行った、、、
彼のVISAの期限が迫ってる 俺の航空券も彼に合わせて予約しなくては、、
--------------------------------------------------------------
同棲生活編 18
彼と過ごす日本で最後の日曜日 何度も通訳の世話になった
Nさんも同行で熊本市に行った
カミイをせっかく日本に連れて来たのに俺の仕事で時間が取れず
東京や大阪などの日本を代表する都市に案内出来なかった
せめて熊本城などの日本の過去の文化を多少でも見せておきたい、、、
Nさん日本に来てから長いが熊本は初めてとの事
今日は寝たきりの御爺さんは息子である旦那に預けての同行だ
今日は毎日の世話から開放されて明るい
熊本までの車の中で彼とタイ語で話していたが 俺には半分も理解できない
俺 カミイと毎日話しててお互いに話が通じるから
自分ではタイ語上手くなったなと思っていたけど違った
あうんの呼吸で結構インチキな2人だけの言葉が出来てたみたい、、、
例えば捨てる事を「ポイ」とか2人だけの暗号みたいな言葉が出来上がってた、、
だから彼らの話は およそ何を話しているか判る程度で詳しい事は判らない、、、
あーあ 俺のタイ語はマダマダだ、、、もっと覚えなきゃ!
カミイと俺が話すのを聞いてNさん「良くそこまで何言ってるか解るのね」って変に感心されてた、、
タイ語を覚えようとされてる皆さん 仲の良い彼と自分だけに通じる言葉を覚える危険があります、
覚える時は出来るだけ多くの人と話しながら覚えましょう!
熊本城に着いた 今日は日曜日の為か剣道や柔道のサークル活動の人々が敷地内で練習してる
剣道してる人を指差して「サムライ」って教えてたら
Nさんが「嘘を教えちゃいけません」って、、
俺にはタイ語で剣道を何と言うか判らない、、
まあ通訳はNさんに任せて熊本城の他にも水前寺公園とか周った
Nさんに聞いてみたら カミイ結構俺が教えた事 そのまま信じてて
「ヤクザ」とか「サムライ」とかの「職業」が有ると思っていたみたい、、
カミイが疑問に思っていて俺に聞いても「言葉の壁」で理解出来ずにいた事を聞いてた
「どうして日本人は1つの事しかしないのか、僕の故郷では御飯を食べるのに米を作り
魚を捕る為に網を編む 服が欲しい時は生地を買って作ったりして皆いろいろやってる」
Nさん詳しく日本の社会を彼に話していたが それでも納得出来ないみたい、、
簡単に言うには何と言えば?って相談されたから
「皆が細かく分業して自分の得意な仕事を専門的にやってる」
「だから忙しくて他の事までやってる時間も無いしやった事が無いから他の仕事を
どうやってするのか知らない人が多い」って答えたら?って言った
だって俺に魚網を編めとか米を作れって言っても「やりかた知らない」もの、、
そう言ったら彼ビックリしてた、、、
そして納得したように「だからあんなに高い散髪代を払うの?自分で出来ないから
?」って
彼と一緒に散髪に行った時 彼カットだけだから3500円 俺パンチパーマに茶髪染めで
12500円
彼がメチャ高いって怒っていたのを思い出した、、
彼の田舎じゃ家族が切るか 村の床屋に行っても10Bだと言う
Nさん笑って説明してたが彼には「金の無駄遣い」にしか見えないらしい、、
でも そんな事を言ったら俺の仕事 チョコッと5分で修理して技術料3500円
15分もかかるなら5000円 こっちの方がずっと高い、、
彼にそう言うと「それは他の人に出来ない仕事でしょう」って、、
うーん納得させるの諦めた、、、
熊本市内の繁華街でタイへの御土産にショッピング
でもあまり買わなかった、、
彼が自分用の洒落たセミロングの長靴買ったのみ、、
Nさんにも何かプレゼントしたかったけど遠慮されたから後日「商品券」でもあげよ
う
Nさん旦那さん達の夕食作るから 今日は早めに切り上げて帰宅の道へ、、
彼女が多少でも「手抜き」出来るように 帰り道で 美味いと評判の餃子の店に寄り
家族の分と俺達用の分を買って帰った
帰ってからカミイ 餃子とシュウマイを見て「これタイにも有るよ」って、、
バンコクで働いて居た時に見かけたと言う 食べ比べてみてと言ったら
「見ただけで食べた事は無い」って さっそく試食、、「美味い」
彼 中華が好きなのかな? じゃ明日でも中華料理店に連れて行ってみよう、、、
------------------------------------------------------------
同棲生活編 19
天気予報がまた台風の到来を告げている
彼のVISAの最終期限が2日後でその日に帰国するスケジュールだ
このままの進路で天気予報が当れば帰国日は福岡空港は台風の中だ
どうしよう、、帰国出来なかったら、、、
鹿児島の水害以来JRが僅かな雨でも休止するようになったので
用心の為に福岡行きを明日にして万全をきす事にした
福岡の卸屋で友人でもあるHさんに「明日来るから泊めて」って電話した
彼が鹿児島方面に行商に来る時は俺の家に泊まるから 是位は言わなきゃ、、
(彼も無線ブームに乗って2億の豪邸を新築してから初めての訪問 どんな家だろう)
もし飛行機が台風で来なかった時の為に入管に電話して対処を聞いてみた
俺「タイの友人のVISAが明後日迄でその日の福岡発の予定ですが天気予報では
台風です もし飛行機が飛ばないと次の飛行機ではオーバーステイです
このような場合は事情が事情だから許されるのでしょうか?」
入管「福岡発がダメな場合 大阪発や東京発が在るでしょう?」
俺「もし福岡発が飛ばないと判ってからでは大阪に移動しても飛行機に間に合いません」
入管「それは そんなスケジュールに問題が有る」
あーこれ以上言っても相談に乗る気は無いと見た 以前の領事館の時と云い
今日の入管と云い相手の都合は如何でもいいから規則に従えって事かな
例え台風で飛行機に乗れなくても期日迄に日本を出なくてはならないようだ、、
相談した俺が馬鹿だった
カミイを連れて今日のうちに御世話になった人々に御礼に周った
俺の両親等は「次はいつ来るの」って、、俺達が行くようには簡単じゃ無いのに、、
県議は留守だったが後で電話のメッセージを頂いた、、友人には御土産を頼まれた
Nさんは「台風は大丈夫?」って心配してくださった
以前に買ってあげた旅行バッグに詰められるだけの俺の不要になった服や御土産を詰めた
パスポートや航空券のチェック、、だんだん帰国の雰囲気になってきて悲しくなった
今夜が最後の俺の家 彼と2人で過ごす時間が秒読みに入った感じ、、、
彼に抱かれながら今日までの事を思い出していた
今夜が別れではないし是からも会える しかし今日と云う時間は、、、、
彼と出会い 彼を愛し 彼の為に何が出来るか模索し 今一緒の時間を過し
いつの間にかカミイは俺の心も身体も占領してた、、
いつもより激しく彼を求める俺に 彼は何も言わず強く応えてくれる
体位を変えお互いが立ったまま俺がソファーに手をあて前屈みの状態で
彼が激しく後から突きながら果てた、、俺は足がガクガクしてる
俺が振り返り彼に抱きついた 無性に愛惜しかった、、
彼がイサーンに帰ろうが俺は彼に附いて行きたい、、そんな気持ちが沸々と沸いてきた
彼がシャワーを浴びた後でポラドイドを持ち出しヌード写真をお願いした、、
「チンポ起ってた方がいいね」って彼 もう一度大きくしてくれた
フィルム カートリッジが無くなるまで撮り続けた、、、
今でも俺の宝物 彼 恥かしがって2度とヌードは撮らせなかったから、、、
そして1夜があけた 天気予報は進路変わらず台風が真っ直ぐこっちに向かってる
電車が動くうちに早めに出発する事にした 彼と3ヶ月ぶりの電車だ、、、
今日は彼が列車の中や俺の田舎を写真に収めてた帰国したら村の皆に見せるのだろう
携帯で福岡のHさんに電話 駅まで迎えに来てくれるそうだ
毎月1回 行商に来るからカミイとは2度会ってる
昼過ぎに着くが食事は外で食べたいから美味しい所があったら教えてとリクエスト
カミイがメニュー読めないからファミレスとか駅の構内の食事でもいいから写真つきメニューで、、
Hさん今日は従業員に会社を任せて福岡をカミイの為に案内してくれるそうだ
俺の数倍の収入の彼だからメチャ贅沢なガイドだ、、、申し訳ないが甘えよう、、
(だいたい海外旅行を始めたのは英語が全くダメな彼の付き添いが最初だったからオアイコ!)
そして列車は福岡駅に着いた、、明日はタイに向かう、、、飛行機 来るかな、、、
------------------------------------------------------------
同棲生活編 20
電話で打ち合わせた場所にHさん迎えに来ていた
構内で食事を済ませてから彼の車でカミイの為の福岡案内になった
ダイエーの福岡ドーム球場や近くの福岡タワー ヨットハーバーの横のアウトレットショップ
鹿児島や熊本に無い所ばかりを選んでの観光
カミイ巨大な球場やその施設に目を見張るばかり、、
「他に何処に行きたい?」って訊ねると「町の中心地」って、、
中州は夜にならないと楽しくないから商店街に、、
少し風が強くなってきた 台風が近づいてきてるかな そんな中を三越デパートに、、
駐車場から入ったら食品売場に出た 突然カミイが「ここメチャ高い」って
その指差した先には8000円のメロンが、、
俺の田舎のスーパーではそんな高いの売ってない 精々3000円迄だ
(だって そんなの売れる訳が無いから置いてない)
他の物を見ても「高級品」が多いからカミイ「高い」って怒ってる
「都会は金持ちが多いから良い物が売れるんだよ」って説明、、
納得してないから「ここはタイのそごうと同じ」って説明したら彼は行った事が無いって、、
「どうして中心地に来たかったの?」と聞いたら
「来る前にせいちゃんから給料貰ったでしょ 1つ位は日本で自分の金で何か買いたい」
そう彼には約束の45万と御礼の5万を合わせて50万円渡したばかりだった
「何買いたいの?」「服」「じゃ見に行こう」
彼 自分のお金になると更に慎重に値段を見てなかなか決まらない
特売のチョッキを見ていたが決心がつかず他の店に数件出かけた、、
しかしやっぱり最初のチョッキが良かったようで引き返す
風が更に強くなり臨時休業になる寸前に飛び込んでやっと買えた
どこもシャッターを閉めだしたのでHさんの自宅に向かった
小高い丘の上に建つ彼の家は庶民の家を見下ろすかのようにそびえ立ってた
自動シャッターの車庫から始まりカミイが驚く事ばかり、、
トイレのウォッシュレットは小か大かを判別して(人間の向きで)フタが開く
風呂は浴槽にラジオ等の音楽埋め込み バスタオル代わりの大型ドライヤー
設備が凄い 極めつけは屋根が開き星空が見える寝室
「これ凄いね!」って言ったらHさん「最初はそう思ったけど」って不満顔?
聞けば天井が開く度に屋根の上に積もった砂ほこりがドサッと落ちてくる
そこまでは考えなかったと聞いて笑ってしまった
カミイに通訳したら「空を見て何が楽しいの?開けて寝たら蚊も来るし僕は壁が無いから
毎日刺されて大変だよ 日本のお金持ちは変だよ、、」って
奥さんとっておきの手料理を頂きながら天気予報を見る
台風の中心が此方に向かってる、、明日は飛行機 飛ばないかも、、
心配しながら眠る、、高台に在る家だから風雨の音であまり寝付けなかった、、
一夜明けたら風が止んでる? 台風の目かな?早速天気予報を、、、
ラッキー! 夜のうちに速度を上げて通り過ぎていた!
念の為にタイ航空の事務所に電話したら「タイを飛び立ちました」って!来るぞ!
今日までのカミイとの事が走馬灯のように頭の中に浮かんできた
最初から今日まで俺の今までに無かった人生だった
此れから俺達どうなるんだろう 彼に俺が出来る事って是だけか?
何もいらない彼の傍に居るだけで幸せだ でも俺が付いていたら迷惑かも、、
俺も今の財産でタイに移り住むには無理な事は判ってる、、、
今日 彼の故郷に一緒に旅立つ 彼の故郷ってどんな所だろう
さあ出発だ 願わくばもう少し彼とすごしたい、、
同棲生活編 終了 目次へ