同棲生活編 11

本日2000年8月5日と明日6日は地元の夏祭り 
ちょっとカミイ滞在時の時間が飛ぶけど夏祭りの話題で

食事に出かけても今日は何処もお客でいっぱい
仕方ないから「ホカ弁」買ってきて自宅で食べる
カミイを初めてホカ弁に連れて行った

何故かお気に入りでメニューの写真見てフライの中身を聞いてくる
鶏肉等は言えるが魚の種類まではタイ語を知らない、、、
白身魚だから「プラー ヌワ カァウ」(魚肉 白い)で誤魔化した
彼 焼きそばと のり弁 俺 カツ重で家に持って帰る

彼が言う「どうしてこんな所が有るのにジェリー(猫)にわざわざ出前取って
      食べさせるの?あれ高いでしょ?」
俺「ジェリー生魚が好きだし 買いに行く暇が無いから持って来てくれる店がいい」
彼「でも損でしょう?安い物は食べないの?」

「あのね1日6万円の儲けがあるだろう 1時間で6000円の儲けだね
 食べ物を買いに行くのに30分かかれば仕事出来ないから3000円の損
 電話1分で頼めば100円の損で済むよ 出前は1000円だから引いても得」

彼には「時は金なり」の感覚が無かったから聞いて考えていた、、
「僕が田舎で百姓の手伝いして稼ぐ金 1日60B位だ、、それ せいちゃんの仕事の  3分って事?
 日本人は皆そうなの?凄いお金だよ」
(うわ!そんな意味で言ったんじゃ無いけど言われたらそうだ!)

「俺は運が良いんだ 今無線が流行ってるから、、他の人より沢山稼いでる」
「他の人はどれ位なの?」「1日6000円位かな1万の人も居るよ」
「それでも凄いや 僕の1ヶ月分より多い 田舎じゃ毎日は仕事が無いから」

「でも同じさ タイじゃ御飯食べるのに幾らかかる?日本は高いだろ
 子供を学校に行かせたりして もっとお金が掛るんだ
 普通の人は今でもお金が足りないよサバーイじゃ無いんだよ」
(サバーイは心安らか 晴れ晴れとした 楽チン 気分が良い 等に使うタイ語)

「日本はサバーイって思ってたけど タイでも日本でもお金持ちだけがサバーイなの?」
「お金が有ればサバーイなら俺何処にも行かないよ タイにも、、
 サバーイじゃ無いから遊びに行くんだ、、」

さあ弁当食ったから祭りでも見に行くか 「踊りを見に行くよ」「仕事しないの?」
「タノン(メインストリート)で踊りがあってソイ(路地)に車が入れないから休み」

「これが本当の日本の服、、綺麗だね 僕の田舎も祭りの時は綺麗だよ!」
「こんなに沢山の人がいるんだね あ!あの人」
そこには毎日来てる銀行の営業マンの姿が、、

既にカミイと親しくなっていた 営業マンが手招き カミイは自然と見様見真似で踊りの輪に入った
イサーンの人って踊り好きなのかな?俺なら恥かしいけど、、、
明日の花火大会に行く前に彼にユカタでも買ってやるか、、
他の人がユカタで踊っているから彼はかえって目立ってた、、、、

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同棲生活編 12

ユカタを選んでたら「なんで薄い布切れなのに日本の服 こんなに高いの?」
俺に聞いても解りません!
更に下駄の試し履きでは「歩き難い そっちのじゃ駄目?」
そこには昨日の踊りの時の売れ残りのワラジが、、、

「これは踊りの時に使うやつで いつもは履かないの」
「え!今日も踊りじゃないの?」 う〜ん花火ってタイ語何て言うのだろう、、、
結局ワラジも下駄も買っちゃった 

試着室の鏡みて「日本人に見える?」
もともと俺の兄弟?って聞く新人の客がいる位だからどっから見ても日本人
こうやって和服着せたら 俺 彼のオトコマエに惚れ直した、、、美形!
一緒に歩くのも自慢だよ 

準備万端 花火会場へ 少し前まで花火大会の役員してたから
顔見知りの特権いかして特等席に、、(花火が目の前で炸裂する放送席の横)
まだ薄暗くなるまで多少の時間が有る あちこちから日頃疎遠になってる友人達から声が掛る

お互いの近況報告したりの挨拶でカミイも紹介
「遂に海外からも連込むようになったか、、」の声 多数、、、
「彼もホモなの?」「違うけど惚れて連れてきちゃった」「程々にナ!余り虐めるなよ!」、、、

露店の出店が多数ある「焼きイカ」買ったらカミイ「タイに帰ってるみたい」、、、
彼 少しホームシックかな?後で聞いてみよう

特別席の眼前でパーッと広がる花火 最初はドーンという爆発音に驚いていたけど
それから1時間 目の前で繰り広げられる仕掛花火等 二人でタップリ楽しんで帰宅
9時過ぎなんて早い時間に自宅に居るなんて彼の病気の時を除いて初めてだ、、

「**見たの初めてだ 凄かったね!」(たぶん**はタイ語で花火だろう)
(真似して)「**はタイじゃ無いの?」「カンナチャブリに働きに行ってる村人が前に話してた」
「それ何処?」聞いても地理に詳しくないので解らなかったけど地球の歩き方に載ってた
わーイサーンからこんな所まで働きに行ってる奴がいるんだ!

村の人の事を思い出したのか それとも露店のせいか彼 ちょっと寂しそう、、
俺「そう云えば日本に来た事もお母さん達に知らせていないだろう手紙書けば?」
彼「だって英語書けないから送れないよ、、」
俺「タイ語で書いても手紙は届くよ 最初にTHAI LANDって書くだけでいいんだよ」
それを聞いて彼喜んで手紙を書き出した、、、早く聞けば良かったのに、、、
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同棲生活編 13

彼 俺が手紙を出した時 英語でTHAILANDとAIR MAILの2つが読めなかった
だから自分に書けないと思ったのだろう そんな簡単な事で遠慮するなんて、、、
こっちから言うまで黙ってた なにか悲しくなった、、、

彼 手紙書くのに凄い時間がかかってる、、
何か頭で考えた事を文字にするのに苦労してるみたい、、、凄く遅筆、、
じゃ以前貰った あの長い手紙どれ位の時間を費やして書いたのだろう、、、
今のペース見てると丸一日がかりで書いてくれたのかな、、

彼がこれで良いかなって俺に見せる 読めないよ、、、
彼が読んでくれた内容は簡単なものだった
俺の手元に無いから正確な記憶では無いが

「お母さん 今日本のせいちゃんの所に来ています
毎日 沢山の人と会えて楽しく生活しています
皆が知れば驚くように日本は金持ちです毎日好きな物が食えて欲しい物が買えます
せいちゃんに給料の他に小遣い貰えるから僕もお金持ちになったみたいです
9月にはビザが切れるから そっちに帰ります 心配しないで下さい」

そんな感じだったと記憶している
明朝 切手を貼ってポストに投函したら「それで届くの?」って心配そう、、
郵便局に持っていき何か手続きすると思ってたらしい、、、

それから数日仕事して今度の休みは何処に行こうかと話してたら
彼がΔ〇と言う Δ〇って単語は調べても判らなかったので そう話した
彼 絵を書いて説明 それは火山の事だった じゃ桜島でも連れていくかな、、
聞いたら火山も地震もタイには無いと言う それなら珍しいよね、、

残念ながら前日から どしゃ降りの雨だった
少し小康状態になったので雨上りるかもと車をスタート
しかし道半ばで また豪雨になった 車のワイパーが間に合わない位の、、、

今日はダメかなと天気予報を聞きながら諦め引き返した
結果的にはそれが幸いした そのまま進んでいれば、、、

食事を済ませ家に帰ってTV見てたら 凄いニュースをやっていた!
今日 行く予定でたぶん時間的にそこを通過中だった筈、、、

鹿児島市内は洪水で床上浸水 更に天文館の繁華街は地下が水で陥没
市内から桜島に抜ける道路は急激に水が押し寄せ
逃げる間も無かった車が道路で水の中に、、、

カミイにTV見ながら説明したら「毎年こんなに水が溢れるなら高床式の家に
すればいいのに どうして穴を掘って店や部屋を作るの?」って、、、
うーん天文館の地価を説明しようか、、それともあまり洪水は無いと、、、

これが鹿児島8・6災害の日の俺達の行動だった 今 思い出しても ぞ〜っとする
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同棲生活編 14


お盆前に約束していた友人達のグループ3家族と一緒に1泊2日のキャンプに出かけた
子供3人が1組 子供2人が1組 そして子供9人!だがその内参加した子7人の 3家族に
俺達2人を加えた合計20人の大所帯でキャンプ場に向かった、、、
上は高校生から下は2歳の子供達 3台の車に分乗してる、、、

3台の車は互いにアマチュア無線で連絡を取りながら熊本の阿蘇を目指して
交信しながら進んでいく 俺達は3人の子がいるEさんのワゴンに同乗してる

田舎だから いつもは「外人」と接する機会が無い子供達は
日本語を話さないカミイは興味津々で俺に通訳頼んで来る
「何処の国?」「タイ」「それ何処に有るの?」

カミイ 子供達がタイの国を知らないのでガッカリしてた、、
タイの子供達は日本の国を皆知っているのにって、、、
でも彼の人柄は言葉が通じなくても理解できるようだ、結構遊び仲間になってる、、

高速を八代市から使ったがそれでもキャンプ場は4時間近くかかってしまう
しかも盆の停滞が高速降りてから始まった キャンプ場へは1本道で片側1車線
食事を取ろうにも途中の食堂は満員で1品ずつオカズが選べる弁当屋で休憩

各自 おにぎりと好きなオカズを組み合わせて買う
カミイもそれに習って選んでいたが彼 食ってる途中で驚いてた
彼が選んだのは梅干と昆布の種が入ったおにぎりだった

俺のシャケとおかかの おにぎり渡し彼のと交換
前にホカ弁で昆布と梅干残していたから ちゃんと確認してあげれば良かった、、
でもシャケはお気に入り また追加で買いに行った

長い道のり 途中省略 キャンプ場に着いた
早速4つのテントに分れ場所が決まったら 合同でレクレーション スイカ割りや宝捜しで楽しむ 
子供達チャチイ宝じゃ喜ばないと思って 俺 百円玉や五百円玉 埋めといた 
最初の子が五百円を見つけると  うわ!って感じで子供達 夢中 

スイカ割りの参加者は全ての宝が見つかるまでゼロ 子供達からクレームが来た 
小遣いを沢山稼いだ子はいいが収穫が無かった子も 何人も居たから、、、
仕方ないからスイカ割りにも賞金をつけた
参加賞100円 当れば更に100円 見事割れたら500円 今度はこっちに夢中

自分に子供が無いから知らなかったが 子供達の小遣いの対する執着心は凄い!
特に子供が9人ともなれば小遣いあげる親も大変だろう
じゃあ いつも世話になってる友人家族ばかりだから今日に限り大盤振る舞いだぞ
後でどんなゲームをするか お楽しみにね!

6時過ぎ まだ明るい内にバーベキューの夕食人数が多いからお肉もどっさり
肉や野菜はタップリ用意してあったけど 焼き網が人数に対し小さ過ぎ
だから時間をゆっくり取った夕食を取っていた、、、

カミイが蝉を何処から捕まえて来たのか焼こうとしている、、慌てて止めた 
彼は不思議そうに「これ美味しいよ」って言う、、、
タイ語だから他の人に判らなくて良かった! でも食生活の違いにビックリした、、

これがタイ人が昆虫を食べると知った最初だった、、、
(後で現地に行くようになって蟻 蜂の子 タガメのようなものからカエルまで
 ありとあらゆる物を食う事を知る事になるのだが、、)

せっかく捕まえた獲物を食えず彼 ご機嫌ななめ
でも俺だって初めて知ってショックだった もし子供達に判ったら原始人扱いされる
まあ彼がイタズラしたので俺が叱って機嫌が悪いと思ったみたいで何よりだった、、
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同棲生活編 15

食事が終ってジュースでも、、
カミイを連れて袋を持たせ下の自動販売機まで20人分の缶ジュース買いに行った
何人かの子供達も付いて来る 小遣い狙えるオジサンと見てる、、

千円札で2本ずつ買い硬貨を集める 数台の販売機で俺の手には硬貨の山が、、
2本目を必ず500円硬貨で買ったから全て小銭になった
子供達もその意味が判って「ねえ今度はどんなゲーム」って言う

テントの所に戻って友人達にジュースを配りながら子供達全員に
「今度は地図無しの宝捜しだよ こっちにおいで」と林の方に誘う、、、
そこで手の中の硬貨の半分を節分の豆みたいに勢い良く林の中に投げた
子供達がわーっと そっちに捜しにスタートした隙に反対方向へ残りを、、、
「残りはあっちに投げたからね」って指差し大人達の所へ帰った

さっきまで子供達で賑やかだったがやっと大人達だけの語らいの場が出来た
お互いの近況や いろんな事を話してから紙皿等食事の片付けにはいる
大人達だけで片付けてたらカミイが「タイではこれ子供達の仕事だよ」って、、、
日本では大人が子供の世話をするが タイは子供も仕事するらしい、、
そう云えば日本も昔はそうだった すっかり忘れていたな昔の日本

確かに昔は母の田舎に遊びに行った時に子供達が風呂を焚く薪を集めたり
夕飯のしたくの手伝いしたり買い物に行ったりしてた覚えがある、、
俺の場合は親の仕事が忙しく お手伝いさん達に面倒を見て貰ってたから
今の俺のような独身なのに風呂洗いが面倒で自分の家の風呂を使わない
そんな奴に育ってしまったが現在の子供達も俺と同じになるのでは、、、

日が沈み辺りは暗くなってきたが子供達は懐中電灯使って まだ捜してる
年長の子が皆の収穫を計算し未発見の残高を確認してる 後700円程が林の中だ

子供達の個性がハッキリと出る 諦めの早い子は戦線脱落
沢山の収穫が有っても執念深く捜す奴もいる、、
夜9時頃には200円を残すだけになり諦めさせ風呂に行く事に

すぐ傍の国民宿舎に全員で歩いていく事に、、
カミイに話すと「絶対に嫌」って言う 以前の大衆浴場の事を思い出した、、
でもここには自宅みたいな風呂は無い カミイにそう言ったら
彼 平然とさっき御飯を炊いてた場所に水道あったから あれでいいって、、

俺達から見れば全裸じゃ無いけど 
あんな所で水をカブって洗うほうが かえって恥かしいと思うのだけど、、
やはり育った所の習慣で恥じらいの感覚も変わるって事だね、、

皆には先に風呂に行ってもらい 彼の行水が終るの待って俺達も追いかけた
俺が風呂に入ってる間 彼にコインを渡しゲームコーナーで待ってもらう
俺が風呂から出て彼の所に行ったら クレーンゲームで使い果たしていた
家のTVゲームには見向きもしなかったのに縫いぐるみのペットが欲しかったと言う

誰かが簡単に取ったのを見て真似したらしいが
お金を払って何も返って来ないのが余程悔しいらしかった
仕方が無いので更に両替 結局 1個の景品をゲットするのに後700円かかった
凄く高い縫いぐるみだね、、、

子供達も今日はコインを一杯持ってるから遊ぶ子もいれば
アイスクリーム1つで我慢してる子もいた やはり個性が出てる、、、
ただ金持ちの家の子が やはり散財して遊びまくってる
親のシツケが こう云う時の行動にも現れている、、

テントに帰って寝る時間 彼とテントに帰ったら 
彼いわく 「立派な家が有るのにドウシテこんな所に来てわざわざ寝るの?」と言う
あれ あれ? 何と説明すればいいんだろう 俺の会話力では無理な話、、、
下が固くて俺は安眠出来なかったが 彼はグッスリ、、、
お前 タイではどんな所で寝てるんだ!寝れるか普通?こんなゴツゴツしてるのに!

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