出会い編 6
彼と旅行を続ける間に俺の「恋する気持ち」は強くなってくる
彼の素朴さ 純情さ 俺が持っていない「心」を持ってる魅力、、、
しかし 彼 俺に助けられたって言ってた そんな立場にいる彼に好きですって言え
ない
もし言うとすれば せめて対等の立場が前提となる、、、弱みにつけ込むのはフェア
じゃ無い
だから今は言わずにおこう、、、
旅行が終わる頃には 俺 すっかり彼の虜 せめて彼の為に俺が出来る事って無いの
だろうか
夜 就寝前に彼 旅行が終わったら何をするのか聞いてみた
俺の持ってるタイ語の本の語彙は限られているから色んな言い回しで話したが
ここに全てを書いていると書込みが長くなるので「感じとしてこんな会話」って形で
書きます
俺「旅行が終われば何か仕事が有るの」
彼「田畑は無いから百姓するけど小作人の仕事を誰かくれたらいいな」
俺「自分の家には田畑は無いの?」
彼「有るけど少しだから兄さんだけで用が済むんだ」
俺「もう出稼ぎには行かないの」
彼「行きたくても この前すぐ帰って来たから紹介してもらえない」
え!あれって紹介するほうが悪いと思うけど、、、と 驚いてしまった
その後 田舎で働く時の賃金の安さ また働くにしても紹介者が結構ピンハネして僅
かしか
手元に来ない事 聞けば聞くほど日本と違って不合理な世界だ、、、
俺「将来何をしたいの?」
彼「したいなんて贅沢は言えないよ せめて努力して自分の田畑が持ちたい そして
死んだ父さんが
建てた家が古くなって雨漏りするから屋根だけでも修理したい」
俺「会社に働きに行くとか考えないの?」
彼「学校に沢山行った人なら良い職が有るけど 僕を雇ってくれる所なんて無いよ」
俺 聞いてて終わりの無い迷路に迷い込んだような感覚に襲われた
日本と違って職を選ぶ自由すら贅沢な世界 俺 彼に何か力になれる事は無いかな?
そうだ!タイで仕事が無いなら俺の所で働いてもらえばいいんだ!
俺「もし仕事があれば日本にまでも出かけて来るかい?」
彼「夢みたいな事を言わないで 日本に行くには最低でも30万Bはいるんだよ
そんなお金があれば田畑だってイッパイ買えるし家の修理も出来るよ」
え!そんなにかかるとは知らなかった、、、
彼の力になれない歯痒さと俺の知識不足に後の言葉が無かった、、、
日本に帰る時が来た 彼に1000B X20日=2万Bを渡そうとした(当時で10
万円)
彼「この前のお礼だって思ってた お金が貰えるなんて考えなかったよ でもこれ多
すぎる」
俺「御礼は1日分で充分さ 3週間いたけど1日分 少ないだろ!」って誤魔化した
(本当は10万円が歯切れが良かったからに過ぎないけど)
彼「この金ってどれ位か知ってるの?家族全員で働いても1年では無理なお金だよ」
俺「日本なら働けばおよそこれ位だよ 俺 日本人だから君にも日本の賃金で払う
よ」
彼「だって毎日あちこち旅行して遊んでただけだ 初めての所にイッパイ連れて行っ
てもらって
ただでも嬉しいのにカメラまで貰って是どんなに皆に自慢出来るかわかってるの
?」
バンコクやパタヤでボーイ達にチップを弾んでも当り前のように受け取っていた
彼だって前回は理由は有ったが受け取っていた だから簡単に考えていたのだ
が、、、
俺 提案した「じゃ俺が来るたびにこの計算でお金を渡すから貯金して貯まったら田
畑を買って
後で俺にその田畑で出来た物が売れた時に返せばいいよ 他に
使ってもいいけど」
何とか納得させて受け取らせた
一夜が明け朝のHを当然のようにお互い始めた
今日が最後の日だ 俺は今日 彼は明日それぞれの故郷に帰る
ただ1つだけ気になった事があったので電話で確認してみた
日本大使館の領事部に電話してタイ人のビサの事を問い合わせてみた
VISAの申請には観光なら日本人による「身元引き受け書」が要るが申請料は500Bとの事
(もしかしたら200Bだったかも どっちだったか記憶があいまいです。)
本人の申請書は英語でサイン以外は代筆可という 用紙は用意してあるので取りに来てといわれた
なんだ安いじゃん!帰る前に用紙を貰っておこうと早速タクシーで貰いに行った
(この時は 領事館の表と裏を知らなかったから簡単だと思っていた)
夕食時に彼にパスポートを作っておくように言った
俺が保証人になって身元引受すれば貰えると思っていたから、、、
彼って嬉しそうな顔はしてない 俺が勝手に決めて指示したのが気に入らないのかな?
まあ昨夜の会話 お互いの言葉が解らなくて凄く時間を喰ったから手紙で聞いた方が簡単だ
さあ空港に向わなくては、、
深夜発の福岡行き このゲートを入れば彼とも お別れだ、、
きっときっと又 会いに来るから 別れっていっても永遠にじゃ無い 近い将来 会いに来る
そう解っているのに むしょうに寂しかった 別れるのが辛かった
俺って40近い大人だぞ!物事の分別は判るよな! 自分にそう言い聞かせたが涙が滲んできた
目に塵が入ったような振りをして彼にサヨナラした
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出会い編 7
日本に帰ってきてからポツンと心に穴が空いたような寂しさに襲われた
恋なんて二十歳代の頃で終わってドライに生きてきた筈だった
そんなもの1円にも成りはしない 心を惑わせ判断を狂わせるだけのもの
しかし俺のこの心の動揺は何だ またノンケにまとわりついて嫌われる気か?
今まで相手に親切にして何か得たものが有ったか?苦い想い出ばかりのはずだ、、、
そんな時 彼からの手紙が着いた その封筒を見ただけで飛び上がって喜ぶ俺が居た、、、、
さっそくNさんの所に駆け込んだ
せいちゃんへ
田舎にさっき着きました 兄さんに相談しようかと思ったけど もう1人でも書けるから1人で書きます
字が間違っていて読めないときは知らせて下さい 兄さんと書き直します
せいちゃんが貸してくれたお金は家に着く前に銀行に行って預けてきました
あんなに大金もって帰ってくるのは心臓がドキドキしました
通帳を作るのは初めてだったから銀行の人に教えてもらって預けました
農民銀行にお母さんと前に行った時はとても偉そうにしてた人が
今日預けに行ったら親切そうにするから お金を持ってるって偉くなったような気がしました
家に持っていくと きっとお金は無くなるから持っていけないです
でも本当に困った時は 使わせて下さい
それから帰りのバス代と せいちゃんがパスポート作れっていうから少し残しました
せいちゃんは簡単だと言ったけどアメリカと日本はお金持ちしか行けない国だって誰だって知ってます
遠くの村の人がマフィアにお金を渡して日本に働きに行ったけど帰ってきません
行く前に沢山のお金を借金して払っていって残った家族はその借金の為に苦しんでいるそうです
僕はもし日本に行けたとしてもせいちゃんが居るから安心だけど
僕のためにそんなに沢山のお金を使って呼んでくれるのは やめて下さい
今までにしてもらった親切だけでも ありがたいと思って感謝してます
でも もし せいちゃんが言うように安くで行けるのが本当なら喜んで働きにきます
それからフィルムを街で預けてきました あさって出来ると言っていました 早く見たいです
最後のフィルムをカメラに入れたのは失敗でした さっき見つかって皆が写せ写せって言います
僕も自分が見たいから人も見たい気持ちは解るけど写してしまえばフィルム無くなる
兄達や母さんがカメラ見て驚いていました どんな人と友達になったんだって聞きます
これから家族や村の皆に海やホテルや美味しいタイスキの話をします
今まで人に自慢出来る事が無かったけど
せいちゃんのおかげで村の人が知らない事 いっぱい話せますでも信じてくれるかな
今 僕とてもサバイです せいちゃんの事 一生忘れません
行く前に お母さんに言われました 人の役にたてって 僕役立ちましたか カミイ
これ読んでたNさんが「日本に連れて来るって そんな無理な事を言ったんですか?」って
彼女の兄弟も旦那を保証人にして申請しても無理だった事
他に彼女が知っている限り 結婚以外で まともに申請して日本に来れた人は居ないとの事
彼女が結婚した時も VISAを発行するまでの手続きに物凄い面倒が多く有った事を聞いた
もし本気ならタイにいる**さんを訪ねてみては?ってアドバイスを戴いた
旦那の友人のUさんの知り合いで大使館に出入りできる立場にあるから何か出来るかもって
でも本当にその気なら根気と時間とお金と運が必要ですが覚悟が有りますかって、、、
え〜 書類書けば くれるんじゃ無いんだ! 俺があちこち旅行した時VISAって申請料だけだったのに
(旅行代理店に代行手数料は少し払ったけど、、、)
それからが俺と大使館の攻防?が始まった!
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出会い編 8
VISAの事について Nさんから話を聞いた後 自分なりに調べてみた
確かに領事館の人が言うように 形の上では申請書のみでVISAが発給される
身元引受書は違法滞在や違法就労を防ぐ為には必要だろう
(でも日本に初めて観光に来る人って どうやって保証人を見つけたら良いのだろう?)
紹介された**様に国際電話で聞いてみたら
申請時 タイでは入手不可能な書類を要求される場合が非常に多いから言われる前に
準備しておく事 その書類とは申請時によって多少違うが
住民票 戸籍謄本 納税証明書(所得証明) 預金残高証明書は必須で
社会的地位の有る人の保証書は要求こそされないが付けなければ はねられるとの事
(これらの物が必要なら領事館に問い合わせた時 最初で言って貰いたい 知らずに
申請した後で参考資料として求められてもタイに行ってからでは入手不可だもの、、)
カミイが用意するものは申請書の他に「日本滞在に必要と思われる以上の残高の預金通帳」
しかもこれは6ヶ月以上前から既にその金額が記載されている事が最低条件
(これって幾ら必要かは領事館の胸三寸 要するに嫌なら足りないって言えばいい)
他に日本での日々のスケジュール表を提出を求められる事も有る
(例えば東京観光なら鹿児島−東京の国内航空券のコピーを添える)
勿論 タイ−日本間の航空券の予約証明か現物も添えるのは勿論だ、、、、
要するに領事館が審査に必要だから提出せよって指示したものは 例え入手不可能な物でも
提出しないとVISAは貰えないって事だ
更に全部条件を満たしたとしてもVISAが発給されるとは限らない 理由の説明も無いって事!
**さんが言うには確率は5%以下との事だった 勿論これは正規の申請方法の確率、、、!
申請書の職業欄に「農業」なんて書いたら更に確率はゼロに近づく、、、
だいたい 此れだけの書類を全て揃えて申請出来るタイ人が何人いるだろうか?
日本人はタイに観光で行けるが タイ人が日本に観光で来れる確率はゼロに近い、、、
でも俺 この話を聞いても「カミイと一緒に居たい」って思ったから 裏をも考えてみた
ようし、、絶対奪い取ってやる! そう決心した
Nさんの所へ カミイへの返事の手紙を書いて持っていった
カミイ 手紙有難う 一緒に遊んだ3週間は楽しかったね
写真の出来はどうでしたか?村の皆や家族の写真も出来上がりましたか?
カミイが喜んでくれたら俺も嬉しいです
処でカミイが傍に居てくれると俺何もしなくてもカミイがやってくれたから楽ちんでした
子供の頃お手伝いさんに育てられたので自分の身の回りの事を自分でするクセが無いのです
だから君は本当に俺の役にたってくれたよ
現在の日本では お手伝いさんと云う仕事をする人がいません
だから日本に来て俺の所で その仕事をして欲しいです
でも工場や会社で働く訳じゃ無いからVISAを申請する時 俺の家にホームステイして
こっちの農業を通じたアジアとの交流会のプログラムで来日する形を取りたいと思います
カミイの申請書には「日本に働きに行く」とは書いて無いから領事館で絶対に言わないで下さい
聞かれたら「日本の米作りの勉強に行く」と答えて下さい
お金は申請料だけで安いから安心して下さい でも俺の保証だけでは足りないらしいから
もっと偉い人にも保証人になってもらいます 絶対貰えるとは限らないけどダメで元々だから
申請してみましょう せいちゃん より
手紙には何も面倒な事は書かなかった しかし是からが大変だ!!!
まず 俺の地元の農業をしてる友人に(農協に勤めていて 家は農業という奴)
「さつまいも農業交流 」と云う でっちあげの海外交流会を作ってもらって彼の家を事務所にした
勿論 彼が代表で名刺やパンフレット等は俺の負担で印刷した 勿論 本当の事を話したが
彼や彼の仲間がタイに女買いに行くなら格安の所を紹介するって条件でOKを貰った!
(韓国で一夜で何万も巻き上げられた農協や農業関係者にも声をかけてメンバーにした)
更にいつも利用してる店の親戚が県議をしてて店が後援会事務所になってるから紹介して貰った
そして地元に海外交流会が出来た事 初の海外からの研修生としてタイの青年が選ばれた事
出来ればこの会の名誉会長になって欲しい事等を説明した 農業者の票集めには効果的!
更にタイではVISAが難しいので出来れば 同じ派閥の国会議員の保証書か紹介状があれば
国の機関で有る領事館での手続きがスムースに進む事を説明した、、、
さあこれで正攻法としては準備が出来たとして 念には念を、、
**さんの電話では 何か裏を匂わせてた タイまで3泊4日の短い旅を決行!
勿論 何処まで手が回せるのか 俺のやり方で成功するのか 他に遣り残した事は無いか
**さんと面会して確認し協力を求めるためだ 彼は正攻法だけでは確率が低いと言っていた
じゃ裏街道も知っているって事だ 彼にそれを聞きに行き必要な処置を取らねば、、、
こんな事が出来たのも この頃の俺の考え方が「金の有る奴が勝つ」「目的の為には手段を選ばず」
って嫌な奴だったから、でもそんな俺の嫌な面をカミイに見せたくなかったから お忍び旅行となった
しかし これでも領事館との攻防?は終わった訳ではなかった
俺はこれで全部終了と思っていたが実際にはまだ「道半ば」だった、、、
そう 俺はまだ知らなかった 世の中にあんなに陰湿な人間がいる場所がある事を、、、
(先に聞いて上記の申請方法を取る事にしたが聞くと見るとは大違い 想像も出来なかった)
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出会い編 9
この後 在タイ日本領事館には数回の往復の後 念願のカミイのVISAをゲットする事が出来た
領事館については書きたい事がイッパイ有るが こっちの手の内をばらすと相手を利するだけだから
皆さんがVISAを必要とする時は 出会い編8を参考に臨機応変に対処して下さい
では カミイとの話に、、、
カミイとVISAを受取に行った 彼とは申請時からずーっと一緒に2週間バンコクにいた
だって領事館との往復や日本との連絡で他の場所に遊びに行く訳には いかなかったから
カミイ驚いていた「本当に貰えたね」って、、彼には裏を見せなかったから簡単と思ったらしい
そんな訳で3ヶ月のVISAは手に入った 大急ぎで彼の「正規航空券」をキャンセルに行き格安航空券を
俺の帰国予定日に合わせて買いなおした さて念には念を、、彼が入管で引っ掛っては困る
ついでにクアラルンプールまでの格安航空券を2枚購入した 日本に行く前に実際の入出国の予行練習だ
マレーシアにはタイ人はVISA無しで行けると云うので JCBでホテルの手配をしてもらった
カミイにとっては初の海外旅行 ちょっとは豪華に遊んで来なくっちゃ、、、
2日後 ドンムアン空港にて チェックイン タイ出入国カードの書き方から 彼 解らない、、、
俺も指導出来ない だってタイ人 タイ語で書くから、、でも係官に教えてもらって何とかパス、、
飛行機の中でマレーシアの入出国カードを貰って記入 今度は英語だから俺が書いてやれた
さあ到着 入管でパスポートに印を貰うだけ、、2人一緒に並んで俺は通過 え!彼何か聞かれてる
慌てて「彼 英語出来ないのですが質問は俺に」って助け舟、、彼の所持金を聞かれた!!!
え!俺は何も聞かれないのに どうして彼だけ所持金を聞くの そんな経験は俺一度も無かった
しかも彼にはお金は持たせてなかった、、、
「俺と同行してるから俺が金を持ってます」って言っても印を押してくれない
彼に金を渡そうとしてもダメだって、、「そう言っても彼の名前でホテル予約したから俺だけじゃ」とか
いろんな理屈つけたが認めない、、その内に何か偉い立場の人が出て来た
とっさに考えたインチキな話をした「俺はタイでスーパーを持っていて彼はそのチェーン店の売上No1の
セールスだ ご褒美のマレーシア旅行に来た 勿論 全て会社持ちの旅行です」
更に「マレーシアで働いたりする恐れは無い 何故ならこの旅行が終わったら 次のご褒美として
日本での3ヶ月の研修旅行がプログラムに入っている 嘘だと思うならパスポートを調べてくれ」
日本のVISAの御威光は凄い!俺がマレーシア滞在中の責任を取るって言って無罪放免になった、、
でも考えた、、、俺が40ヶ国以上の国を周ってこんなチェックを受けた事は無かった、、、
日本のパスポートとタイのパスポートでは これだけ信用度が違うって事だ、、、
お偉いさんが彼に言ってくれって、、「日本のVISAを取れるとはエリートコースだ チャンスを逃がすな」
何か先程とは彼に接する態度までがガラリと変った 羨望のまなざし と でも表現すれば良いかも、、、
でも日本ではこんな手は使えない 俺の金を持たせて入国させなくては、、、
さあやっとクアラルンプールに着いた さっそくタクシーでホテルに、、、
時間が早過ぎてまだチェックインはダメだって、、昼の12時まで荷物を預かってもらい外の見学に、、、
カミイにとっては初の外国だ 俺もツアーで来ただけだったので自分で行動した事は無い
別にこの国でなくても予行練習は何処でも良かったが航空券が安かったのが理由だし、、、
マレーシアの事については 日記をタイに忘れて置いてきた為に毎日の記録が残っていない
下町のシーフード店でメニューが読めず 適当に注文したらテーブル一杯の料理の皿が来て
物凄い量にお互い 驚き 笑い 食いきれず 勿体無いって彼が持ち帰ろうとした事とか
タクシーでゲイバーに行こうとしたが場所が判らず運転手にまかせたらニューハーフのバーだったとか
いろんな失敗した事だけが 今も記憶に残ってる 俺にとっては彼の傍に居るだけで嬉しかったし
マレーシアの事なんて二の次だったから、、、そんな訳でマレーシアから帰る日に話は飛ぶ
彼 パスポートに出国印を押す時になって 又 多モメ、、 何と出国カードを無くしてた
説明してなかったから要らないと思って捨てたらしい、、、でも何とか書き直しで許してもらって
飛行機に乗れました
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出会い編 10
VISAは貰った 外国への予行練習は済んだ 後は本番を待つだけ、、
日本でNさんの旦那に紹介された Uさんが居る日本料理店「薩摩」に行った
Uさんには**さんを紹介戴いただけじゃ無く 俺と同じ故郷の同じ部落って事でだいぶお世話になった
Uさんには今でもずーっと世話になりっぱなしだが彼とか彼の親戚で同じくタイで日本食堂「花屋」を
やってる皆さんは天皇はじめ日本のお偉方が来タイされた時の晩餐会の食事を担当してた
由緒ある家柄だって後で店のなじみ客に教えてもらって知った
さて今日「薩摩」に来たのはVISAで本当に世話になった**さんに御馳走するため、、、
彼が居なかったら絶対に失敗してた、、、
俺 カミイにはまだ彼を紹介していなかった 難しい事が話せないって云う言葉の問題も有るが
カミイの性格は充分に読めたので多くの人を巻き込んで1枚のVISAを貰うって事を先に知ったら
きっと遠慮か尻ごみして「要らない」って言ったろうから、、、
カミイと知り合い恋して その片思いで日本で同棲生活を望み
たったそれだけの俺の我侭な目的の為に多くの人を巻き込んだ
そして軽蔑もせず皆さん協力してくれた
出会いって縁なるもの 日本での友人や仲間 最初は知らずに協力してくれた県会議員
今でも俺の大切な人達 NさんUさん**さん 皆さん本当に有難う!
日本の人達にはカミイと行ってから祝宴だ 今日はタイの皆さんと盛り上がろう!!
Uさんと子供の頃からタイで育ったタイ語ペラペラの弟さん **さん カミイそして俺
今日は大いに食い 語り明かしましょう、、、、
そして一夜が明け日本への出発の日がきた
カミイの故郷へは連絡手段が無い 電話は無いし手紙では遅すぎる、、、
彼 家族に連絡無しの出発になる 彼に「連絡しなくていいの?」って聞いてみた
「3週間して帰って来なかったら当分帰らないって言ってきた」と言う
この辺がタイ人
見も知らない国に行くのに「日本に行く」とは彼 言ってなかった!!!
さあ空港だ チェックイン あれ?カミイ何か聞かれてる??言葉が解らない 彼何か答えてる
マレーシアに行く時は問題が無かったのに? まあ搭乗券は貰えたから判らずじまい、、、
更にパスポートに出国印を押す段階で又カミイが聞かれてる???今度は何処かに連れていかれる
心配で付いて行ったが俺は部屋に入るなって、、、幸い頻繁に人が出入りするから覗ける、、、
何か書かされてる、、暫くしたら出てきて 何とか出国印を押してもらえた
あー心配した でもあの紙は何だったのだろう? 今でも疑問に思ってます、、、
カミイも飛行機に慣れてきた もう窓の外は覗かない ただ飛行地図がイサーンを表示した頃
窓の外を眺めてた 彼が上空から初めて見る故郷 俺はまだ彼の故郷は知らないが
本で調べたら 痩せた赤土の大地が広がる不毛の土地、、、
今 彼は故郷に別れを告げている そんな横顔だった、、、
5時間のフライトで福岡空港に到着 マレーシアでの教訓から彼のパスポートの表紙に
「本人は英語 日本語が話せません OO議員の保証書のコピーを添えてあります
質問等 有りましたらすぐ後に同行者の私が居ますから呼んで下さい」って貼っておいた
俺の方をチラッと見て入国印を押してくれた 外人窓口だったが手招きして俺にも印をくれた
バンザイ バンザイ やった やったぞ! もう彼がタイに帰される事は無い!!
俺の緊張の糸がやっと溶けた 俺 係官に頭を下げたくなるのを我慢してカミイと税関に向かった
福岡駅へは地下鉄で向かう カミイ地下に鉄道が走っているのに驚嘆してる
そう云えばタイには無いよね、、駅でJR九州の新鋭特急「つばめ」に乗り換える
「新幹線?」って日本語が飛び出し驚いた!タイでも有名なのかな??
新幹線は凄く早いけど田舎には走ってない これは普通の列車って説明したら
目を丸くして驚いてた、、
確かにタイの列車は あまり豪華な作りのを見た事が無いけど、、、
初日から驚いてばかりじゃ身が持たないよ、、、
列車の窓から見えた高速道路が一般道の上を走る所では「停滞無いんだね」って感心するし
自動車のスクラップが何段にも積んであるのが見えた時は説明を求められて
それが「捨ててある」って解った時は信じられないって何度も確認された、、、、
さあ もうすぐ俺の田舎だよ、、、これからヨロシクね!
出会い編 終了! 次回からは「同棲生活」です!
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